医者は収入が高いけれど、医者の家計は裕福なのでしょうか?医者の妻の生活費の内訳は?もし子持ちのバツイチの医者と結婚した場合は、先妻への財産分与や慰謝料、子供の養育費を払わなければならないので大変です。
医者の家計は裕福なのか?妻の生活費の内訳は?
医者の家計は裕福なのか?
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、企業規模10人以上の勤務医全体の平均年収は、1,378万3千円となっています。男性医師の平均年収は1,469万9千円、女性医師の平均年収は1,053万7千円です。
同調査によると、男性会社員の平均年収は546万4千円ですから、男性医師の平均年収は、男性会社員の年収の約2.7倍となっています。医師が高収入であることは確かです。
しかし、年収が約1,500万円は、あくまで名目的な額であり、税金や社会保険料などを差し引いた手取りは、1,015万円程度です。扶養家族がいても配偶者控除や児童手当などが支給されないので、手取りは独身者とあまり大きく変わりません。
日本は累進課税制度のために、年収があと300万円増えて1,800万円になったとしても、手取りは100万円程度しか増えません。なお、1,500万円を夫一人だけで稼ぐよりも、夫婦二人で750万円ずつ稼ぐほうが、税金は低くなります。医者の妻は専業主婦が多いので、累進課税の打撃をもろに受けることになります。
それでは、この年収と手取り額で裕福なのかということですが、医者は支出も多いので、意外にも家計にゆとりがないと感じている人も多いのが実態です。今回は、この点について解説していきたいと思います。
医者と結婚すると裕福な生活が送れるからという理由で、医者との結婚を望んでいる女性は、ぜひ最後までご覧になってください。
医者の家庭の三大支出
医者の家庭の支出の中で大きな金額を占めるのは、生活費、子供の教育費、家賃または住宅ローン、です。これが三大支出と考えてよいでしょう。「株式会社医師のとも」が2020年9月に1,046名の医師を対象に実施した「お金に関するアンケート調査」をみても、このことが実証されています。
生活費は後述するので、ここでは子供の教育費と家賃または住宅ローンについて考えてみます。
まず、子供の教育費ですが、ここにも医者に特有の課題があります。それは、医者の子供は医者にしたいということです。医者の家庭では、その大半が何が何でも子供も医者にしたいと考えています。
文部科学省の統計などを見ますと、医学部の学費は、国公立で約350万円、私立大学だと約3,300万円は必要です。私立の医学部の学費は、大学によって幅がありますが、少なくとも2,000万円以上は覚悟しなければなりません。
もちろん、医学部に至るまでには、幼少の頃から塾に通わせたり、家庭教師をつけたりして勉強する必要があります。有名小学校に入学させたり、進学塾に通わせて、私立の中高一貫校に入学させたりするので、これらの費用もかなりの金額になります。
さらに、医学部は現役合格が難しく、浪人すると、医学部専門の予備校に通う必要があります。二浪、三浪する人も珍しくないので、その分、さらに教育費がかさみます。一般に、年収2,000万円でも、子供二人を私立の医学部に入れるのは大変だと言われています。
次に、家賃またはローン返済が大きな金額となります。医者に特有の問題としては、若い間は賃貸に住むとしても、その間は頻繁に病院に呼び出されることが多いために、病院の近くに住む必要があること。
40代以上になって、住宅を購入する場合は、医師としての社会的な対面を保つために、それ相応のイメージのよい立地に、ある程度見栄えのよい住宅を購入する必要があること、などがあげられます。
このように考えると、賃貸であっても20~25万円程度の家賃を支払うことになります。また、持ち家の場合は、住宅ローンとして30万円程度の支払いとなります。医師の家計を調査すると、この程度の支払いになっている家庭が多いようです。
ただし、あくまでもこれは目安で、賃貸の場合は都心か地方かの立地条件や間取りの広さなどにより家賃が変化し、持ち家の場合は購入の時期によりローン金利が変化するので、個人差は大きくなることはご了承ください。
医者の妻の生活費の内訳は?
医者の妻は専業主婦が多く、その場合は妻が生活費を管理することが多いです。ここでは、医者の支出のうち、子供の教育費と家賃または住宅ローンを除いた部分を、生活費としてご説明したいと思います。
先ほどご紹介したグラフを見ると、家賃または住宅ローンとほぼ並んで、外食・旅行・レジャーの支出が多いことがわかります。家計の裕福さを象徴する支出です。
医者に特有の生活費としては、まず高級車の所有があげられます。車は社会的なステータスの象徴ですから、外車や国産の高級車を所有している医者が多いです。結婚している場合は、普段買い物などに使う妻専用の車と2台所有している場合も多いです。
車は定期的に買い換える必要がありますから、もはや固定費です。月々に慣らして換算すると、かなりの支出になります。大型車だと税金やガソリン代など維持費も高額になります。
医者の家庭では、社会的な対面を考えて、日常の食材や衣服などをすべてデパートで購入している家庭も多いです。また、教授など上司や同僚、友人や親せきなどとの交際費も一般の家庭よりも高額になります。
今の医療はチームで医療に当たり、医師はそのチームのリーダーとなるために、職場の飲み会などでは、全員分の支払いを医師がするというケースが多いのです。この分だけでも交際費が高くなります。
また、純粋な生活費とは少し違いますが、医師は常に勉強を続けなければならないために、専門書などの購入費用も必要です。勤務先や働き方によっては、学会費なども支払うことがあります。これらも医師特有の費用となります。
バツイチの医者との結婚は養育費が大変?
医者は高収入だし、社会的地位が高いから、なんとか医者と結婚したい。こう思う女性は多いと思います。その中には、医者だからバツイチでもいいや、結婚したいという女性もいるかもしれません。
バツイチといっても、様々な理由で離婚するので、離婚経験があるからといって、必ずしも反対というわけではありません。しかし、家計という観点からは、いくつかの課題があることをあらかじめ知っておいたほうがよいと思います。
養育費が生活の負担になる
結論から言うと、バツイチの医者は、離婚経験がない医者よりもお金がないです。その理由の1つが、先妻への財産分与です。財産分与とは、結婚していた間に得た財産については、夫婦で協力して得たものとみなして、これを夫婦間で半分ずつに分けるという考え方です。
たとえ、働いていたのは医師である夫だけで、妻は専業主婦であっても、資産が夫の名義になっていても、関係ありません。この場合は、半分ずつに分けます。ただし、結婚前から持っていた資産や、贈与や相続で得た特有財産は、財産分与から除かれます。
これから結婚しようとするバツイチの医者が、先妻とどれくらいの期間結婚していて、その間にどれくらいの財産を築いていたかによって、財産分与の金額は異なりますが、いずれにしろ離婚時に所有財産の半分は失っていることになります。
また、もし先妻との離婚理由が、夫の浮気など夫側に責任があった場合には、慰謝料も支払っている可能性があります。慰謝料とは精神的な苦痛に対する賠償金のようなものです。
そして、さらに先妻との間に子供がいた場合で、親権を別れた先妻が持っている場合は、養育費を支払わなければなりません。これがかなりの負担になる場合があります。
養育費とは、子供の食費や被服着、住居、光熱費などの生活費、授業料、教材費、塾代などの教育費、医療機関で治療に支払った費用や薬代などの医療費、子供が必要とするお小遣い、通学や移動に使われる交通費などです。別れても親として負担すべきものです。
養育費の額は、裁判官が作成した「養育費・婚姻費用算定表」によると、年収1,500万円で、0歳から14歳までの子供が二人いた場合には、毎月22~24万円程度、年間では264~288万程度に定められています。
実際の金額は、これをもとに、夫と妻の双方の収入、所有資産、生活状況など、様々な事情について話し合いで決めることになります。医者の場合には、夫側に離婚原因があったり、社会的な対面を保つために、養育費も高めに決められることが多いです。
養育費の支払い期間は、原則としては子供が成人するまでですが、協議によりそれ以上の期間に定めることも可能です。医者の場合は、両親ともに高学歴な場合が多いので、大学を卒業する「22歳の誕生月」までとか、医学部を卒業する「24歳の誕生月」までと定められることが多いです。
離婚歴がない医者と結婚する場合に比べて、バツイチの医者と結婚すると、家計の負担がかなり大変になることを覚悟しておく必要があります。
先妻との離婚原因を繰り返す心配がある
バツイチの医者と結婚する場合、不安要因はお金のことだけではありません。離婚するには、何か原因があったはずです。これは医者に限らないのですが、一般に男性が起因の離婚原因となるのは、下記のような理由となります。
- 夫の浮気
- 妻への独占欲が強い
- DV、モラハラ
- 夫の実家との不仲
- 夫の浪費が著しい
- 生活費を渡さない
- 仕事が忙しい
- ギャンブル
本当の離婚原因はなかなか語らないので見抜くことは簡単ではありません。しかし、例えば、結婚相談所などで知り合ったら、すぐに退会を迫るなどの態度を取ったら、妻への独占力が強い可能性が高いです。
結婚後にこの傾向が強くなると、DVやモラハラに発展するケースが考えられます。また、先妻に浪費癖があったので離婚したと言った場合、実際は夫がケチで生活費をごくわずかしか渡していなかったケースも考えられます。
このように、相手の態度や言葉から、本当の離婚理由を探ることが重要です。性格や思考は簡単に変えられないことが多く、再婚しても、新しい夫婦間で同じ問題を引き起こす可能性が高いです。先妻との離婚理由を繰り返したとき、自分の許容範囲内であるか、判断する必要があります。
まとめ
今回は、「医者との結婚生活は裕福なのか?」という点に関して、改めて考えてみました。医者は普通のサラリーマンの3倍近い年収があるので、高収入なことは間違いありません。
しかし、医者の家庭では、医者に特有の支出もあり、普通のサラリーマンの家庭よりも、かなり支出が多くなっていることがわかります。それだけ贅沢な生活を送っているとも言えるのですが、意外に収支にゆとりがないことが多いです。
実際に高収入を得てみるとわかるのですが、贅沢な生活にはすぐに慣れてしまい、支出が多いと、それはそれなりに家計のやり繰りは苦しいものです。特に、子供が複数いて、全員が私立の医学部に進むと、教育費が生活を圧迫し始めます。
医者の家庭では、高収入でありながら、預貯金がごくわずかしかないという家庭も珍しくありません。矛盾するような言い方で恐縮ですが、医者との結婚生活は裕福ではあるが、決して楽ではないというのが本当のところです。
また、医者と結婚すれば裕福な生活が待っていると思って、バツイチの医者でもよいから結婚しようと思っている女性は、安易に結婚に踏み切らないほうがよいと思います。先妻への財産分与や、子持ちであれば養育費が大変だからです。
結婚してから、こんなはずではなかったと思う女性も多いようです。また、離婚には必ず原因がありますから、先妻との離婚原因となった行動をまた繰り返す可能性があります。
バツイチでも相手の男性が本当に好きでどうしても結婚したいというのならばよいのですが、相手が医者だからという理由ならば、率直に言って、あまりおすすめはできません。もし相手が医者でなくても、本当にこの人と結婚したいのか、慎重に考えてから結論を出すようにしてください。
バツイチでも医者だからという理由で無理に結婚を急がずに、本当に自分が納得できる医者の男性が現れるまで、婚活の努力を続けてみるべきだと思います。
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