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結婚する医者の選び方

開業医と勤務医どちらと結婚するほうがよいのか?開業医の妻の役割と苦労を知っておこう

開業医の収入は勤務医より高いと聞いたから、開業医と結婚するのがよいかな?でも開業医の妻は大変そうだから、勤務医と結婚するのがよいかな?迷っている女性も多いかと思います。事前に、開業医の妻の役割と苦労を知っておきましょう。

開業医と勤務医どちらと結婚するほうがよいのか?

迷う女性

僕がこれまでに書いた記事でも、他サイトの記事でも、どれを見ても開業医は勤務医の2倍程度の収入があると書いてあります。これを見て、「私は結婚するなら開業医がいい!」と思った女性が多いのではないでしょうか?

でも、現実はそんなに単純な話ではありません。今回は、開業医と勤務医を比較しながら、結婚相手にどちらを選ぶべきかを考えてみたいと思います。

開業医と勤務医の人数比較

まず、開業医と勤務医の人数を比較してみます。厚生労働省が発表している「令和2(2020)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」にデータが記載されているので、ご紹介します。

このデータによると、 2020年12月31日現在における全国の届出「医師数」は339,623人で、「男」262,077人(総数の77.2%)、「女」77,546 人(同22.8%)となっています。前回調査の2018年と比べると医師数は12,413人、3.8%増加しています。

その中で、「診療所の開設者又は法人の代表者」すなわち開業医は72,586人であり、 構成比は21.4%となっています。前回調査の2018年と比べると、877人、1.2%増加しています。つまり、医師の約5人に1人は開業医ということになります。それ以外は勤務医です。

おそらく読者の皆様が思っていたよりも開業医は多いのではないかと思います。しかし、結婚相手として考えたときは、やはり勤務医の数のほうが圧倒的に多いので、開業医と結婚するのは、かなり競争が厳しいと思います。

開業医と勤務医の年収比較

次に、医者と結婚したい女性が最も関心を持っている、開業医と勤務医の年収を比較してみます。厚生労働省が発表している「第23回医療経済実態調査の報告(令和3年実施)」にデータが記載されているので、ご紹介します。

このデータによると、開業医の平均年収は約2,807万円です。さらに、平均年収から所得税、住民税、社会税を控除した手取り額は約1,675万円となっています。

それに対して、勤務医の平均年収は約1,491万円です。手取り額は約1,075万円となっています。開業医と勤務医の平均年収の差額は約1,316万円です。開業医のほうが1.9倍の収入を得ていることがわかります。

手取り額で比較しても、開業医と勤務医の差額は約600万円です。開業医のほうが1.6倍の手取り額を得ていることがわかります。

診療科によって年収に若干の高低はありますが、それほど大きな開きではありません。年収に関しては、やはり開業医のほうが高収入を得ていることは確かです。

本当に開業医と結婚するほうがよいのか?

開業医の人数は勤務医よりも少なくて競争は厳しいものの、年収の高さを見ると、やっぱり開業医と結婚するほうがよいと思われた女性が多いと思います。しかし、本当に開業医と結婚するほうがよいのでしょうか?落とし穴はないのでしょうか?

開業する年齢は何歳くらいか

まず、クリニックを開業できる年齢を考えてみます。現役合格した場合、医学部を卒業するのが24歳です。医師国家試験に合格した後、研修医を2年務めて26歳。その後、専攻医を3~5年務めて専門医認定されるのが29歳~31歳です。

そこから10年くらい専門医として腕を磨いてから独立するケースが多いです。開業するのは、39歳~41歳となります。もう少し短期間の修行で開業する人もいますが、浪人してから医学部に入学する人も多いので、やはり開業する医師の多くは40歳前後となります。

勤務医の頃から交際していた女性と開業を機会に結婚する医師もいますが、独身で開業した医師は経営が軌道に乗ってから結婚しようと考える医師が多いです。つまり、既に開業医となっている医師と結婚しようと思えば、40歳半ばくらいの男性医師を探すことになります。

開業時の借金を抱えている

クリニックを開業するには資金が必要です。心療内科や精神科など医療機器が不要な科目は2,000万円程度の資金で開業できますが、それ以外の内科、整形外科、皮膚科、眼科、耳鼻科などは8,000万円程度の開業資金が必要です。

その1割から2割程度が自己資金で、残りは借入金でまかなうのが一般的です。つまり、開業医は6,400万円から7,200万円くらいの借入金を抱えることになります。当然、利息もプラスになります。経営が安定していれば問題ないのですが、常にリスクを抱えている状態が続きます。

また、開業資金の借入金があるために、マイホームのローンが組みにくくなることがあります。住宅ローンが借りられても、開業資金の借入金に加えて住宅ローンも重なってくるのですから、返済金やローン金利も増えてしまいます。

クリニックと住居をひとつの建物で借入を起こしている場合は、新たな住宅ローンは不要ですが、クリニックと住居が一体だと、夜間でも患者が訪れることが多く、それはそれで健康面やストレスなど別の問題が生じます。

医療法人にして、住居を法人から借りる形式で経費扱いにすることもできますが、そうすると税額控除などの住宅ローンの優遇措置は受けられなくなります

開業医は収入は高いけれど、借入金の返済があるため、良いことばかりではありません。結婚に当たっては、そのへんも考慮する必要があります。

開業医の妻の役割と苦労を知っておこう

妻の役割と苦労

開業医の妻の役割と苦労についてご説明しておきます。これから開業医と結婚したいと思っている女性は、事前に知っておいてください。

家事・育児はすべて一人で担当する

これは開業医か勤務医かに限らず、医者の妻となったら覚悟しておくべきことです。医師の仕事はとにかく忙しく、しかも患者の命に関わる仕事なので、常に仕事のことを考えるので精いっぱいです。家事・育児はすべて妻がひとりで担当せざるをえません。

つい夫に愚痴を言いたくなってしまうのですが、医師である夫のほうがストレスが大きいので、妻は夫の愚痴を聞いてあげて、なぐさめる側に回らざるをえません。妻もストレスがたまります。

クリニックの仕事を手伝う

開業医の妻は、クリニックの受付や経理を担当している人が多いです。特に、経理は節税対策など内部情報を取り扱うので、身内の妻が担当するのがいちばん安心だからです。受付はパートなどを雇うこともできますが、人件費削減のために妻が担当することも多いです。

このような仕事をするためには、医療や経理の知識が必要となるので、専門学校などに行って勉強することが必要です。忙しい場合は、通信教育で学ぶこともできます。婚活の時期に医療事務関連の資格や、簿記の資格などを取得しておくと、医者との結婚に有利になります。

家計のやりくりにも責任を持つ

医者の夫は裕福な家庭で育った坊ちゃんが多いので、金銭感覚にはうとい人もいます。医師である夫がお金使いが派手だったり、貯蓄や投資の観念がない人だった場合、家計費の節約、貯蓄、投資など、家計のやりくりも妻の役割となります。

医者は、専門書の購入、学会の会費、医師会の会費、交際費など、一般のサラリーマンに比べて出費が多いのが普通です。クリニックの財務管理と家計管理の両面から最適バランスを考えてやりくりする必要があります。

子供を必ず医師にしなければならない

開業医の妻たるもの、クリニックの後継ぎを育てることが絶対条件となります。そのためには、子供を産むことから始まります。子供がなかなかできない場合、夫の両親をはじめとして周囲からのプレッシャーは大変なものです。

子供が生まれたら、幼少の頃から教育をしなければなりません。有名小学校に入学させる、あるいは進学塾に通わせて難関の中高一貫校に入学させる、医学部に入学させる、など一連の流れを手抜きなく進めることが求められます。

クリニックの仕事のうち、受付はパートなどにまかせることになりますが、経理の仕事は継続することもあります。子育てとのバランスをどう取るかも重要な課題です。

交友関係での対面を保つ

開業医は、交友関係が広くて、とても大切です。例えば、大学病院の教授とは、患者を回してもらう、医師を派遣してもらうなどの関係にあります。また、取引先との付き合いもあります。友人たちも医療関係の人が多いです。

医師家系の出身だと親戚にも医師が多いです。医師会との関係もありますし、地域の有力者とも親しくしておかなければなりません。これらの交友関係をスムーズに築いていくのも、妻の役割です。適切な服装や態度、マナー、言葉遣いなどが求められます。

何か失礼があると、クリニックの経営にも影響しますので、常に細心の注意を払っておく必要があります。結構大変な役割です。

まとめ

「開業医は勤務医より高収入だから、結婚するなら開業医がいい!」と単純に考える女性が多いのですが、実はそれほど単純なことではありません。開業するためには、医師としての経験を積まなければならないので、既に開業している医者は40歳半ば以降の人が多いです。

30代の医者と結婚したいという人は、いきなり開業医を探すのではなく、勤務医を探して、結婚後に開業という戦略を立てることになります。最初は勤務医でも、開業すれば高収入になるから、それでよいというほど甘くもありません。

開業するには多大な資金が必要ですし、開業してから軌道に乗るまでは、夫婦が一緒になって休む間もなく努力をする必要があります。節約もしなければなりません。開業初期の頃の妻の役割は大きいので、勤務医の妻よりもずっと大変なことを覚悟しなければなりません。

開業して軌道に乗るまで数年は要すると言われていますが、軌道に乗れば裕福で幸せな生活が待っています。開業医の本当の旨味を味わえるのは、2代目以降になってからと言われますから、子供の代になってから開業医のメリットが得られるのかもしれません。

その意味では、最初から先祖代々医者という医師家系の結婚相手を探すのもありです。ただし、この場合は相手の親の厳しいチェックがありますので、なかなかハードルが高いです。さらに、結婚後もなにかと干渉されるので、苦労が続きます。

この記事をよく読んでいただいて、結婚相手として開業医を選ぶか、勤務医を選ぶか、あなたなりの戦略を立てていただきたいと思います。

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