医者と弁護士で結婚するならどちらがよいのでしょうか?判断材料となる、資格の難易度、キャリアパス、収入の高さなどを比較してみたいと思います。そして、実際の夫婦生活という観点からどちらが幸せになれるか考えてみます。
医者と弁護士で結婚するならどちらがよい?
医者の人数と弁護士の人数
まず医者の人数を調べてみます。厚生労働省が発表した「令和2(2020)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」によると、2020年12月31日時点の医師の総数は339,623人であることが判明しました。そのうち、男性医師は262,077人で構成比が77.2%、女性医師は77,546人で構成比22.8%となっています。
次に弁護士の人数を調べてみます。日本弁護士連合会が発表した「弁護士白書 2020年版」によると、2020年3月31日時点の弁護士の総数は42,164人であることが判明しました。そのうち男性弁護士は34,147人で構成比が81.0%、女性弁護士は8,017人で構成比19.0%となっています。
この数値をみていただくと一目瞭然なのですが、男性医師262,077人に対して、男性弁護士は34,147人であり、男性医師のほうが男性弁護士の約7.7倍の人数となっています。圧倒的に男性医師が多くなっていることがわかります。
もう少し詳しく、男性医師の年齢別構成比を見てみます。2018年12月31日時点のデータとなります。ちなみに、男性医師の総数は243,667人です。カッコ内は構成比となります。
- 29歳以下:18,818人(7.7%)
- 30~39歳:44,412人(18.2%)
- 40~49歳:49,656人(20.3%)
- 50~59歳:56,083人(23.0%)
- 60~69歳:47,215人(19.4%)
- 70歳以上:27,483人(11.3%)
次に、男性弁護士の年齢別構成比を見てみます。2020年3月31日時点のデータとなります。ちなみに、男性弁護士の総数は34,147人です。カッコ内は構成比となります。
- 20~29歳:2,916人(8.5%)
- 30~39歳:10,305人(30.1%)
- 40~49歳:8,350人(24.5%)
- 50~59歳:3,831人(11.2%)
- 60~69歳:3,788人(11.1%)
- 70~79歳:3,422人(10.0%)
- 80歳以上:1,535人(4.5%)
このデータを見ると、39歳以下の男性医師は63,230人に対して男性弁護士は13,221人で、男性医師が男性弁護士の約4.8倍です。49歳以下で見ても男性医師112,886人に対して男性弁護士21,571人で、男性医師が男性弁護士の約5.2倍となります。
若干、調査時点が異なりますが、結婚に適した年齢で見ても、男性医師のほうが男性弁護士よりもかなり多いことがわかります。単純に人数を比較すると、男性弁護士を狙うよりも男性医師を狙うほうが、結婚できる可能性は高くなります。
弁護士は格差が大きい
結婚相手は絶対に医者か弁護士でなければ嫌だという女性が数多くいます。医者と弁護士はまったく違う仕事なのですが、なぜそう考えるのでしょうか?それは、医者と弁護士のどちらも社会的地位が高くて、高収入であるというイメージを持っているからだと思います。
医者も弁護士も難関試験を合格しており、人を助ける仕事という点では共通しているので、社会的地位が高いことは確かです。しかし、高収入という観点から見ると、医者と弁護士とではかなり違います。
もちろん医者も勤務先や、勤務医と開業医で収入の差はありますが、勤務医でも専門医になれば年収1,000万円以上、中堅になれば年収1,500万円程度の医師が大半であり、まんべんなく高収入となっています。その意味ですべての医者が安定的に高収入を得ているといえます。
それに対して、弁護士も平均年収は1,500万円程度ですが、実際は収入格差が大きくて、一方には年収が数百万円の弁護士がいて、他方には年収2000万円以上の弁護士がいるというように二極分化しているのが実態です。さらに年収が億単位の弁護士もいます。
年収が数億円の超高収入の少数の弁護士が平均を引き上げているので、平均年収の弁護士の数が多いわけではありません。このように弁護士の中で収入格差が大きくなった要因は、2006年に実施された司法制度改革です。
司法試験合格者の推移を見ると、1990年には499人、2000年には994人と1,000人未満だったのに対して、2010年には2,133人と一気に増加しています。つまり、弁護士の人数を急速に増やしたために、仕事を得られない弁護士が増えたのです。
それゆえ、医者を選ぶ場合は、誰を選んでも高収入で裕福な生活を手に入れることができますが、弁護士を選ぶ場合は、高収入の弁護士を厳選しないと裕福な生活は手に入らないということになります。その代わり、超高収入の弁護士はものすごく高い年収なのですが。
医者に比べて弁護士のほうが結婚対象となる人数が少ない上に、高収入の弁護士はその一部なのですから、高収入の弁護士と結婚できる確率はかなり低くなると言わざるをえません。
高収入だから医者か弁護士がよいと考えている女性は、この点に十分に注意することが必要です。収入面に関しては、弁護士業界のことをよく知らないのであれば、医者を選んだほうが無難かもしれません。
どっちが賢い?どっちが稼げる?夫婦生活は?
医者と弁護士はどちらが賢いのか?どっちが稼げるのか?仕事と家庭のバランスからみた夫婦生活はどうなのか?についてご説明します。
どっちが賢い?
医者は医師国家試験に、弁護士は司法試験に合格しないと仕事ができません。その点では、どちらも賢くなければなれない職業であることは確かです。敢えて、どちらの試験が難関かと言えば、司法試験のほうです。
その理由として合格率があります。医師国家試験の合格率は90%以上ですが、司法試験の合格率は司法制度改革以降は、20%~40%程度で推移しています。合格率だけを見ると、明らかに司法試験のほうが難関です。
医師国家試験の合格率は90%以上と聞くと、誰でも合格するように思いますが、医学部卒業生のみが受けるのであり、医学部の偏差値が高いことを考えると、受験生のレベルが高いから合格率が高いとも言えます。
ちなみに、司法試験の受験生のレベルも、もちろん高いです。東大や京大の法科大学院卒業生でも50%程度しか合格できませんから、やはり司法試験のほうが難関なことは確かです。
医師国家試験の合格率の推移は、下記の通りです。
- 2015年: 91.2%
- 2016年 :91.5%
- 2017年 :88.7%
- 2018年 :90.1%
- 2019年 :89.0%
- 2020年 :92.1%
- 2021年: 91.4%
司法試験の合格率の推移は、下記の通りです。
- 2015年:23.1%
- 2016年 :22.9%
- 2017年 :25.9%
- 2018年:29.1%
- 2019年 :33.6%
- 2020年 :39.2%
- 2021年 :41.5%
どっちが稼げる?
まず医師の年収から見てみます。厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、企業規模10人以上の勤務医全体の平均年収は、1,378万3千円となっています。男性医師の平均年収は1,469万9千円、女性医師の平均年収は1,053万7千円です。
ちなみに、勤務医全体の平均年齢は45.3歳で勤続年数7.7年、男性医師の平均年齢は46.8歳で勤続年数8.0年、女性医師の平均年齢は39.9歳で勤続年数6.4年です。
医師のキャリアパスを見てみると、医学部を卒業して医師国家試験に合格すると、研修医になります。研修医の年収は300万円~400万円程度です。2年間の研修医を終えると、専攻医となります。専攻医の年収は650万円~850万円程度です。
専攻医を3~5年くらいやると専門医に認定されます。専門医になると、年収1,000万円以上となり、少し経験を積むと1,500万円程度になります。年齢で言うと、30代後半です。もちろん、勤務先によって若干の幅はありますが、大体の医者はこのくらいの年収で推移します。
次に弁護士の年収を見てみます。同調査では法務従事者という職種に分類されています。日本標準職業分類では、「法務従事者とは裁判官、検察官、弁護士及びその他司法に関連する専門的な仕事に従事するものをいう。」となっているので、最新の調査では弁護士のみのデータは掲載されていません。
それゆえ、同調査でまだ弁護士という職種で分類されていた平成30年(2018年)の弁護士の平均収入を見ると、全体の平均収入は1,256万円、男性弁護士の平均収入は1,595万円、女性弁護士の平均収入は733万円でした。これが実態を表しているような気がします。
ただし、先にも述べたように、医師と違って、弁護士の場合は全員がまんべんなく年収が高いわけではありません。一方に年収が数百万円の弁護士がいるのに対して、他方には、年収2,000万円以上の弁護士がいます。年収が億単位の弁護士もいます。弁護士は、その仕事内容によって、大きく収入が異なるのです。これが弁護士の特徴です。
弁護士のキャリアパスを見ると、法科大学院(2~3年間)を卒業後に司法試験に合格すると、1年間司法修習生となります。この間の年収は200万円程度です。法科大学院に行かずに予備試験を受ける場合もありますが、これは抜け道のようなものです。司法修習が終了すると弁護士となります。
高収入の弁護士は、企業法務を取り扱っている法律事務所に勤務している弁護士です。4大とか5大と呼ばれる大手法律事務所や外資系の法律事務所では、初任給が年収1,000万円、中堅になると年収2,000万円、パートナーになると年収3億円~5億円くらいになります。
また、債務整理を中心に全国展開している弁護士法人の代表弁護士も、億単位の年収を稼いでいます。ごく一部の起業家マインドを持った弁護士です。
夫婦生活は?
医者も弁護士も、年収が高ければ高いほど、仕事は激務になります。医者は、患者の命を預かる仕事ですから、朝、病院に出勤すると、帰宅は何時になるかわかりません。患者の状態が悪ければ安定するまで病院に留まることになります。
時間がきたから家に帰るという概念はないのです。休みの日も患者の様子を見に病院に出向くのが普通ですし、いついかなるときでも急な電話で病院に呼び出されることがあります。家事や育児はまったくできずに、妻まかせという生活になります。
この点については、企業法務を取り扱っている大手法律事務所の弁護士も、朝、事務所に出勤すると、帰宅は何時になるかわかりません。海外とのやり取りも多いため、深夜に会議ということもあります。終電が終わったあとに、タクシーで帰宅というのが普通です。
企業法務を取り扱っている大手法律事務所の弁護士も、家事や育児はまったくできずに、妻まかせという生活になります。
医者や弁護士と結婚したいと思っている女性は、高収入を稼ぐのは、大変なことであることを知っておく必要があります。ただ医者や弁護士の肩書があるから高収入になっているわけではありません。24時間、仕事に没頭しているからこそ、高収入を得られるのです。
良い点としては、医者と結婚すると健康面での不安がなくなること、弁護士と結婚すると生活のトラブルを解決してくれることがあげられます。そのどちらがよいかは、あなたの判断となります。
まとめ
今回は、絶対に医者か弁護士と結婚したいと思っている女性に向けて、医者と弁護士とどちらがよいかを検討してみました。医者か弁護士と結婚したいと思っている女性が望んでいるのは、社会的地位が高いことと、高収入による裕福な生活だと思います。
医者も弁護士も、どちらも高学歴で難関の国家試験に合格しており、人を助ける仕事ですから、社会的地位が高いことは共通しています。どちらと結婚しても、女性同士のマウンティングでは、最高位の扱いを受けるでしょう。
しかし、高収入という面では、医者と弁護士はやや異なります。医者は勤務医でも、まんべんなく1,500万円くらいの収入を得られるのに対して、弁護士は一方で年収が数百万円の人がいるのに対して、他方には年収2,000万円以上の人がいるというように二極分化しています。
医者でも開業医は勤務医の2倍くらいの収入となりますので、2,000万円~3,000万円程度になります。美容整形外科医などの経営者なら億単位を稼いでいる医師もいます。でも、これはごく一部だと思います。
弁護士で稼いでいるのは、企業法務を取り扱っている大手事務所に勤務している弁護士です。年収2,000万円くらいになります。パートナーになると経営に参加するために、億単位で稼ぎます。また、債務整理を中心に全国展開している弁護士法人の代表弁護士も億単位を稼ぎますが、これもごく一部です。
結論を言うと、医者であれば誰を選んでも一定以上の高収入ですが、弁護士は勤務先などを厳選しなければ、必ずしも高収入ではないということです。弁護士を選ぶ場合は、企業法務を取り扱っている大手法律事務所に勤務している弁護士を選ぶとよいでしょう。米国弁護士資格を持っているかどうかも選定基準となります。
医者よりも弁護士のほうが人数が少なく、しかもその中で高収入の弁護士を探すとなると、かなり少人数の中から探すことになります。その意味では、医者よりも弁護士を探すほうが難しいと思われます。
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