医者と結婚したら裕福な生活が待っていますが、そのまま一生安泰に暮らせるのでしょうか?医者は激務な仕事ですが、何歳まで働けるのでしょうか?退職金はあるのでしょうか?医者と結婚したときの老後についても考えてみます。
医者と結婚したら一生安泰に暮らせるのか?
老後の心配はどんな事
勤務医の年収は、普通のサラリーマンの年収の3倍近くあります。さらに、開業医ならば、勤務医の2倍くらいの収入があります。医者と結婚したら、高収入で裕福な生活が待っていることは確かです。この点については、下記の記事をご覧ください。
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「それなら安心だわ!」と思われるかもしれませんが、果たして一生そのまま安泰に暮らせるのでしょうか?人間は時間の経過と共に、年をとっていきます。医者と結婚したら老後の心配はないのでしょうか?
医者に限定しているわけではないのですが、厚生労働書が発表した「平成28年版 厚生労働白書-人口高齢化を乗り越える社会モデルを考える-」に「老後に不安なこと」のランキングが記載されていますので、引用してご紹介したいと思います。
- 1位:健康上の問題
- 2位:経済上の問題
- 3位:生きがいの問題
- 4位:住まい・生活上の問題
- 5位:家族や地域とのつながりの問題
1位の「健康上の問題」については、医師の仕事は激務なので不安があると思います。医者の不養生という言葉もあるくらい、無理をして働いている医者も多いです。しかし、「健康上の問題」について、最も知識があるのもまた医者です。
僕がとても尊敬している日野原重明 氏は、105歳でお亡くなりになる直前まで現役の医師として活躍されていました。医師が自分の持つ健康に関する知識を活かして、日常生活に適用すれば、元気で長生きできることが証明されたと思っています。
夫である医師に家族の健康にも気を配ってもらえれば、健康上の問題は、一般家庭よりも、はるかにリスクを軽減できるのではないでしょうか?これも医者と結婚する大きなメリットであると考えられます。
医者のお金の悩みは何か
それでは、2位の「経済上の問題」については、医者の場合はどうなのでしょうか?これに関しては、「株式会社医師のとも」が2020年9月に1,046名の医師を対象に実施した「お金に関するアンケート調査」を見ると、よくわかります。
お金に関する悩みは「特になし」が最も多かったのは、医師特有の見栄が入っているように推測されます。実際には、「老後資金」と「収入減」を不安に思っている医師が多いのではないでしょうか?特に、医者の妻に聞くと、本人以上にこの2点はとても心配しています。
医者は何歳まで働ける?退職金はある?老後は?
医者は何歳まで働ける?
収入減の問題については、2つの要因が考えられます。1つは、まだ若い間に何らかのアクシデントが起きて、収入減となる場合です。例えば、腕のよい外科医が交通事故に遭遇して、利き腕にしびれが生じて手術ができなくなり、収入が大幅にダウンしたという事例があります。
このようなアクシデントは、誰にでも起こりえることです。このようなリスクを防ぐためには、あらかじめ保険に入っておくことが必要です。もちろん、貯蓄も必要です。
もう1つは、年齢がかさむにつれて、収入減が生じる場合です。これについても、若い頃から計画を立てて、あらかじめ対策を練っておくことが望まれます。この問題について考えてみましょう。
さて、医者は何歳まで働けるのでしょうか?医師免許には年齢による期限はないので、永久に働ける資格となります。実際には、どうなのでしょうか?
医師の定年制度
まず、医師に定年制度を設けている病院があります。全国に設置されている国立病院では、医師の定年を一律65歳に定めています。また、国立に準じる国公立の大学病院や、地方自治体が運営する公立病院でも、定年を65歳または、65歳定年に継続雇用5年などと定めている場合が多いです。
民間病院では、定年制度がないところや、定年制度があっても形骸化しているところが大半です。私立の大学病院でさえ、「名誉院長」「嘱託」など様々な名称をつけて居残っている医師が多いです。院長など上位の役職に就くと、定年から除外している病院もあります。
開業医は医師自身が経営者なので、定年という概念がほぼありません。身体の健康が維持できる限り、何歳になっても現役の医師が多いです。若い医師を雇用して院長をまかせても、自分自身も名誉院長などの肩書で働き続けるのが通常です。
定年になった医師はどうしているのか
定年がある病院で、定年になった医師はどうしているのでしょうか?65歳程度でそのまま引退してしまう医師はほとんどいません。第二の医師生活に移るのが普通です。非常勤となり、日数や時間を短縮して働き続ける医師と、負担の軽い勤務先に移る医師がいます。
その場合の移転先は下記のような施設です。
- 介護老人保健施設の医師
- 健康診断医
- 産業医(従業員の予防医療)
いずれも患者の急変などがないため、勤務時間が一定しており、休日に呼び出されることもほとんどなく、高齢の医師に適した職場ということができます。もちろん、定年前よりも給料はダウンしますが、健康に問題がない限り、長く働くことができます。
日本では医師の数は不足しており、慢性的な医師不足なので、働き先に困ることはありません。この点では、医師は恵まれた職業ということができます。
退職金はある?老後は?
医師の退職金はある場合とない場合があります。そもそも、退職金とは、職場を退職する従業員に対して、企業や組織が任意で支給する報酬のことですから、必ず支払わなければならないという性格のものではないのです。
退職金がほぼ確実に支払われる医師
それでは、退職金がほぼ確実に支払われるのは、どのような場合でしょうか?下記の3つです。
- 国公立病院や大学病院に長く勤務した場合
- 医局に属して転勤を繰り返した場合
- 医局に属さず自分で雇用契約を結んだ場合
退職金はいくらぐらいもらえるのでしょうか?常勤医師として10年くらい勤務しても、200~500万円程度です。定年まで勤務した場合、国立病院で公務員として働いた場合は3,000万円超となりますが、それ以外では1,000~2,000万円程度というのが相場です。
上記に記載した3つの場合を除いては、退職金制度がないところも多く、あってもわずかな金額しかもらえないケースが多いです。医師の年収が高額なのに対して、退職金は少額であると言わざるをえません。
開業医の退職金はある?
開業医は自らが医師であると同時に経営者ですから、退職金はありません。その代わりとして、小規模企業共済などを活用して、毎月積み立てておき、退職金代わりにすることができます。リスクの低い積立投資により、資金を確保しておくことも必要です。
老後に安心して暮らすために
ここまでご覧になって頂いたらおわかりの通り、医師は全般的に給与は高収入であるが、退職金はないか、あっても少額なのです。そのために、老後に生活水準を下げることなく維持するためには、高収入の間に、貯蓄や投資で資金を育てていくことが必要です。
医師の家庭では収入も多いが、支出も多くなる傾向にあります。医師ゆえに、やむをえない面もあるのですが、できるだけ無駄な出費は控えるようにします。家計をあらかじめ用途別に分けて、毎月、貯蓄や投資の分を確保しておくのは、医者の妻の重要な役割です。
まとめ
今回は、「医者と結婚したら一生安泰に暮らせるのか?」という疑問にお答えしてみました。国公立病院には定年制がありますが、その後も働き続ける医師が多いです。日本は慢性的な医師不足なので、働き先は数多くあります。
健康上の問題さえなければ、本人が希望すれば死ぬまで働けるというのは、医者と結婚した場合の安心材料だと思います。まあ、実際には75歳までには引退したいと考えている医師が大半のようですが。確かにそのくらいで引退する医師が多いです。
国立病院の公務員医師を除くと、高年収の割に退職金は低いので、退職金はあまり当てにできません。老後も生活水準を維持するためには、貯蓄と投資が重要です。医者と結婚する女性は、このことを肝に銘じておくことです。
医者は普通のサラリーマンの3倍近くの高収入なので、早くから計画を立てて、低リスクの積立投資をしておけば、老後も安泰に暮らせると考えてよいと思います。
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